国語と日本語

毎年この時期なのか、文化庁がやっている「国語に対する意識調査」の発表がありました。

 

そもそも論ですが、「国語」と言っていますがそれは日本語のことを指しており、そこから変えるべきだと思います(もちろん、高校まである教科名もです)。

何でかと言いますと、確かに多くの日本人が使う言葉は日本語なのでほぼイコールなのですが、あくまで「ほぼ」であって100%でなく、日本国籍を持っているけど日本語以外の言葉を日常的に使う方々もいるわけで、その人達は日本人なのに国語が日本語とされると実態とは異なることになってしまいます。

例えば、多くの移民がいるアメリカ合衆国で「国語」というとおかしなことになるのがはっきりわかります。

同様というか逆の考え方で、以前は看護婦といっていたけどわずかですが男性もいるからということで(看護士という表記があったものの)、ニュートラルな意味の看護師に統一されました。

国語とは看護師と同じく関連する対象すべてを包括する言い方です。

 

そういえば、今DlifeでERをやっているんですけど、吹き替えではみんな「看護婦」と言っていて、耳ではしばらく聞かなくなっていたので懐かしい感じがしました。

 

「国語」という言い方は日本が単一民族国家だった頃(正しくはアイヌ民族などの少数の民族が常にいたのでそれは錯覚なのですが)の名残の言い方として葬り去るべき表現だと思いますが、文化庁が率先してまだそんな時代錯誤の言葉を使っているのはアンケートをして結果についてどうこうと発表する以前の話だと思います。

これは、mother tongueの訳をいまだに「母国語」とやる意識と同じで、ちゃんと「母語」としている人達が何年も前からいるのにそれに気付かないという意識の低さから来ているのではないでしょうか。

 

もうリアル辞書は古い時代なんでしょうか。