粗挽き

コーヒーには割と凝っていたことがあり、名の知れた店に飲みに行ったり自分で焙煎してみたりしたこともありました。

今は亡き吉祥寺もかのご主人の標(しめぎ)さんは、「コーヒーは家で飲むもの」とおっしゃっていたのでわざわざコーヒーを飲みに遠征ということはしなくなり基本的に家で飲むことが多いのですが、ドリップのやり方はあれこれ読んだ本や雑誌に書いてあることを真似る程度で、現在はペーパーの円錐形のドリッパーで淹れています。

船頭多くして船山に登るというように、いろんなやり方をあれこれ読んで適当に解釈していたので、エスプレッソのように細かく挽いた方がお湯の接触面積が増えるから豆の成分がたくさん抽出されると思い込んでいたのですが、それは誤りで微粉末と言われるものが混ざると雑味も出てしまって美味しくないというのが定説だと最近知りました。

これは自分の舌が馬鹿だということの証明でもあるのですが、「粗挽きにせよ」とは書かれているけど何でかまでは書いてなくて、粗挽きは先述のように出が悪いのではないかと思って勝手にそこは自分の解釈で変えていました。

文藝春秋の9月号に銀座らんぶるの関口さんが松重豊との対談でそのことに言及しており、ご自身で気づかれたと書かれていましたが、私はそれを美味い美味いといって飲んでいたわけです。

 

いつも買いに行く豆屋のご主人に相談したところ、私が使っている二枚刃の家庭用ミルではどうしても大小のムラができてしまうようで、市販されているミルの中には刃の回るスピードを調整でき、均一の仕上がりにできるものも出ているそうです。

そういう観点からいうと、手回しミルは優れているそうですし、茶こしなどでふるいにかけることも有効なようです。

 

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