『三省堂国語辞典のひみつ』

三省堂といえば『新解さん』こと新明解国語辞典が有名ですが、これは三省堂国語辞典(通称「三国」)の新版が出るのにあたって辞書編纂者の飯間さんが書かれた本の文庫版です。

私なんかはまさにそうなんですが、「こちらは〇〇になります」とか「1万円から」といった聞いていて引っかかる言葉や乱れに対して頑として反旗を翻すのではなく、どうしてそれが使われるようになったのかを分析して広い心で受け入れるスタンスで書かれています。

場合によっては一周回ってなんとやらみたいな、考えたけど元の位置に戻るみたいなこともあるし、沼にはまってどうしたらいいかわからなくなるものもあるように思います。

考察がありませんでしたが、何かの例で出てきた笑福亭鶴光のルビが「つるこう」になっていたんですけど、正式には「つるこ」ですが本人は「つるこう」とも言っているので、どうしてルビを「つるこう」にしたかを説明して欲しかったです。

学生時代から割と最近まで「つるこう」が正式だと思っていました(何年か前に出したCDのチラシではじめて「つるこ」だと知る)。

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'TSURUKO'だとどっちだかわかりにくいですね

笑福亭鶴光集成1

読み終わると三国を買いたくなります(ご本人もそういうスタンスで書いてしまっていることは認めておられます)。

三省堂国語辞典のひみつ: 辞書を編む現場から (新潮文庫)