デタラメな分析

いろんなところ(主に生保会社)が子どもが大きくなったらなりたいものランキングを発表していますが、先日ニュースで見たのは第一生命が「大人になったらなりたいもの」を大人になる成人式前に発表しているようです(同社主催の夏休みミニ作文コンクールの応募者にアンケートしたものの結果)。

それの男の子のなりたいもので15年ぶりに「学者・博士」が1位になりました。
1000人くらいからデータを取っているようですけど男女混合なので、半分は女の子だから統計学的にいうと若干精度は低いと思われるのですが(同様の趣旨の作文コンクールを主催しているNPOのランキングではまた違った順位になっていたけどそれは置いておきます)、ものさしをひとつにして話を進めたいと思います。

2000年度以降の男の子の学者・博士のランキングと、日本人ノーベル賞(理系)の受賞者(こちらは受賞年)を重ねると
2017 1位 なし
2016 2位 大隅良典(生理・医)
2015 8位 大村智(生理・医)、梶田隆章(物)
2014 4位 赤崎勇、天野浩(物)
2013 3位 なし
2012 2位 山中伸弥(生理・医)
2011 3位 なし
2010 3位 根岸英一鈴木章(化)
2009 4位 なし
2008 3位 小林誠益川敏英(物)、下村脩(化)
2007 2位 なし
2006 3位 なし
2005 3位 なし
2004 3位 なし
2002 1位 小柴昌俊(物)、田中耕一(化)
2001 8位 野依良治(化)
2000 3位 白川英樹(化)
データの出典は第一生命HPより
ノーベル賞受賞者ウィキペディアからひっぱりました

作文の募集は夏なので、前年の受賞者のことが大きく男の子達の意識に関係してくると思うのですが、3人も出た2008年の翌年は4位、2人出た年でも翌年は2位が最高です。

また、「受賞者が相次いだから」というのもその通りだと2003年も1位になってなくてはいけないけどこの年の順位は3位です。

失礼ながら受賞者の中には華がある方と地味目な方がいらっしゃって(個人的印象です)、山中さんや小柴・田中さんの受賞翌年なんかは影響があるんだったらもっと上位にランクインしててもよさそうに思います。

これらから導かれるのは1位はたまたまなのにマスコミ報道ではノーベル賞受賞者の影響と書いているけど、そうではなくもっと話は単純で今やっている化学実験で2つのボトル内の液体を化合して変身する仮面ライダービルドの影響だということです(ホントかよ)。

↓産経ニュースより。だいたいどこもこんな風な分析(書き方)です。

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↓テレ朝のライダーHPより

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