広辞苑 7版

今日発売のようでニュースになっています。

話題にはなっているものの、版を重ねる毎に刊行数(この表現でいいのかわかりませんが)が前の版の半分になり続けているので、今回ももっと減るのだと思われます。そういうことも報道しないと。

騒いでいるけどどうせ買わないんでしょう。

売れないという事実から紙の改訂版を出すのになかなかOKを出さない経営陣の出版社(辞書編集長を会議に呼んでそういう趣旨のことを告げていました)のことをテレビで以前見たことがありますが、そういう状況でも岩波は先駆者としての社会的義務のようなものを感じて出しているのでしょうか。

私は大辞林派になったので昭和最後の版の第3版しか持っていないのですけど、これで平成最後の改訂なので平成は昭和より短いのに4回も改訂をしたことになります(広辞苑の初版は昭和30年で、3版は58年)。

昭和の時代はそれこそ中型のみならず辞書の代名詞的な存在で、井上ひさしなんかは無人島に1冊持っていくとしたらという質問で広辞苑を挙げていたり、ポータルタイプの電子辞書のボタンも一番いいところを取っていたけど、今は群雄割拠で昔ほどの権威もないし、どの語が入ったかでわーわー言ってますけどそれぞれの辞書編纂における見解で絶対的なものでないのでどうでもいいのではないかという気がします。

スマホ全盛の昨今なので、あの大きさのものをいちいち引くというのはとても億劫で、辞書を手元に何冊も置いている私でも小さいもの(新明解など)に手が伸びます。活字が大きい2冊になっている分冊版も出ているようですが。

辞書は紙のものを引いた方が身につくという考えで勉強してきましたし、最新のものを持つべきと学生時代に読んだ本に書いてありましたけど、複数に当たるという意味で古いものも持っておきたいのですが、現代の住宅事情を考えるとWEB版の方が改訂や誤植の修正もできるので紙版の改訂版が出るのは今後減っていくような気がします。

iPhoneはバージョンアップされる度に買い換えている人は多いと思うけど、広辞苑は平成の改訂分に限ってもそういうことをしている人はほとんどいないのでないでしょうか。

そもそもアベちゃんが「辞書を引いて調べた」と言ってどこの辞書にも書いてない語義を開陳し、のちに閣議決定してしまう滅茶苦茶な国というか、辞書そのものや言葉に対する向き合い方が以前と比べて変わってきていると思います(しかしそれが古い世代のアベちゃんというところがなんともはやなんですが。彼はあの世代に珍しい勉強をしていない部類に属する種族だからでしょうけど)。

それはそうと、新語を次々に生み出す若い世代はどう思っているか聞いてみたいです。

広辞苑 第七版(普通版)