落語協会分裂騒動

公益財団法人である相撲協会と違って一般社団法人落語協会ですが、その昔(昭和50年代)分裂騒動がありました。

名著と言われながら長らく廃番だった三遊亭圓丈の『御乱心』が増補されて『師匠、御乱心!』というタイトルで文庫で復刊されました。

御乱心の主語は文庫化のタイトルでわかるように圓丈の師匠の圓生です。

今読んでも刺激的なので出版当時はかなり物議を醸したと思われますが、関係者の多くが鬼籍に入ったことも復刊された理由のひとつなのでしょうか。

歴史書の多くは官軍側から書かれたものが多く、人々はそれを読んでそういうものだと思いがちですが、賊軍扱いされた中の1人の兵士の目から書かれた騒動がリアルに書かれています。

先日の好楽が弟子に自分の名乗っていた名前を名乗らせようとしてぽしゃった話にも通じる出来事ですので、噺を楽しむことと直接関係ありませんが落語界に起きた数少ない出来事(おそらく最大の)を知ってみるのも面白いと思います。

人が大勢集まればどんな団体でも意見の相違は起きるもので、かといってこの本が解決書では全然ないんですけど(今も解決してないですし)。

↓右は官軍側(末廣亭の旦那だった北村銀太郎の聞き書き)

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