忠臣蔵

老人化現象のひとつといいますか、 なぜか急に今年は忠臣蔵に興味が出てきました。
全く興味がなかったわけではなく、学生時代から歌舞伎や文楽、 映画など機会があればちょくちょく見る程度でした。歌舞伎で一度通しを観に行ったことがありますけど、長すぎて途中で寝てしまいました。

一番多く接していた落語にも忠臣蔵そのものというネタはないんですが芝居好きの番頭 や小僧が出て騒動を起こすという噺はいくつかあって、その芝居は大抵忠臣蔵なので「七段目」とか「五段目」 という幕の名前がついています。各段のさわりをやる場面はありますけど、深く知ってなくても楽しめます(知ってればもちろんもっと楽しめますが)。
以前志らくがマクラで落語界で忠臣蔵をやるとしたら誰が何の役をやるのがいいかという話をしたのを聞いたことがありますけど、 内蔵助は志ん朝、吉良は談志というのがウケていました。
昔は年末大型時代劇で毎年やってた気がしますけど、 最近は見かけなくなりましたよね。
今年はBOSSのCMでタモリが吉良をやってるのが流れてますが 。
旧暦だと12月だけど新暦では1月だからNHKはそっちに何か流 すのでしょうか。歌舞伎か文楽を毎年見てる気がするので。


日本人の大人の素養のひとつといいますか、 固有名詞のやりとりだけで会話が成り立ってるのを見たことがあって、自分もああなりたいと思っていました。 思ってるだけで時が過ぎて今に至るパターンなんですが。

先週宇多丸のラジオ番組に時代劇評論家の春日太一が出た日があって、 忠臣蔵はこのポイントを押さえておけば大丈夫というテーマだったのでメモしながら聴きました。
といっても6つあって、ノートも4ページになってしまいました。でも、聴いた感想はもうそれ以上刈り込めないし、 とてもわかりやすく整理されていました。
曰く、(昔の)日本人にとって究極のネタバレ作品で、 みんな話を知っている上で誰がどの役をやるかが見る側の楽しみだ し、 興行する方としては各段単独で起承転結があって芝居にかけるのに 向いているけど一段用のセットを作るだけで費用がかかるし、 俳優も当代で最高の人を何人も出すいわばオールスターキャストで やるわけだからギャラもかかるということで、 オレたち忠臣蔵作れるんだぜっていう会社の勢いを示せる作品という位置付けだから競って作った時代があったみたいです。


テレビ局の年末時代劇が作られなくなって久しいけど、 これらの事情を考えると致し方ない気がしました。
それと同時にちょっと頭をよぎったのが白い巨塔で、 この作品も何度もドラマ化されてるけど財前や里見を誰がやるかみたいなことが話題になるわなと思いました。
毛色は違いますが、 犬神家の一族も何度も映像化されててこの年末にもやるらしいです が(今夜?)、 最初のキャスト発表は金田一が誰かということの他に佐清( スケキヨ)の役だけ決まってて、 やはりスケキヨの存在感があの話では重要なのかと思いました。


話は戻りますけど、 今観れる忠臣蔵はないものかと調べたらBS日テレで27と28の 二夜に1985年の暮れに放送した忠臣蔵をやると知ったので( ここから日テレの年末時代劇がスタートしたらしいです)、 今週はそれまでに5時間分ハードの空きを作らなくてはなりません 。 録画してもすぐに見ないとまたハード問題で苦しみそうであります 。
内蔵助は里見浩太朗のようです。番組案内を読んだら、 出演者3000人と書いてありました。


調べたら大河では4回やってるみたいですけど、 当時の勘九郎が内蔵助をやった1999年の元禄繚乱が最後だから だいぶやってませんね。 大河は見る人が多いからたまにやれば忠臣蔵を知らないなんていう ことにはならないように思うのですが。
今は定期的にやってるのは文楽と歌舞伎くらいじゃないでしょうか 。
あとは松之丞人気もあるけど観る人はまだ少ないでしょうが、 義士外伝含め忠臣蔵ネタが多い講談ですか。


新しい時代劇も結構ですけど、 古臭いものもあっていいのではないかという気がします。

↓これが暮れにやるやつ。吉良はモリシゲ。

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Amazonでたまにプライムになってます。内蔵助は長谷川一夫

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