Nスペは今年の3.11を迎えるに当たり、すでに放送されたものを含め5本ほど関連テーマのものをやるそうです。
この本は出版時にかなり話題になったのでご存知の方も多いと思いますが、2月に文庫化されました。
セコい私はAmazonのお気に入りに入れて忘れないようにして文庫化を待っていました。
この本を読むまで、日本の出版用紙の約4割が日本製紙のもので、その主力が石巻工場であることを知りませんでした。
こういった震災時に知ったことは、電波時計の日本に2箇所しかない送信所があったとか、身の回りの色々な製品の部品工場が被災地域にあったり交通の寸断で調達できないので作業できないなど枚挙にいとまがないということです。
その工場で瓦礫や浸水で動かなくなってしまった抄紙機の主力マシーンを動かすまでの物語をメインに、被災時の状況や同社の野球部などの話もからませながら進んでいくんですが、再稼働の瞬間のシーンは読んでいて胸熱でした。
テレビで津波のシーンはよく流れますけど、当然ですがそこには人は映っていません。
冒頭の工場を始め町に津波が襲うシーンの描写は映像では感じられないリアルさがありました。
知られざる職場の話に東日本大震災からの復興というものが加わり、様々な観点から読ませる内容でした。
巻末には通常表示されない本文使用紙が書かれていて(もちろん日本製紙)、これを取材されるとそうなるのは自然のことだと思いますし、この本は電子版にはならないんでないかという気がします。
↓文庫版。解説は池上彰氏。
↓四六判の単行本。タイトルが縦組みです。
↓オマケ。少年ジャンプはどうやってできているのかというマンガ。紙のロールを印刷にかける部分が出てきます。失礼ながら絵が余りお上手とは言えないのですが、学習マンガ的な役割は果たしていmっす。震災に関する記述はありません、念のため。