最高裁裁判官の国民審査

今回の衆議院議員選挙の投票と同じタイミングで最高裁裁判官の国民審査が行われますが、ほとんどそれについての報道は目にしません。
過去これで罷免になった裁判官がいないのもありますが、そもそもその制度について詳しく知られていないことがあると思います。
(ちなみに罷免は50%、過去最高は15.17%)
ダメと思う裁判官にXをつけるのみで、信任するからといって○をつけると無効票になるというのもあまり知られていない気がします。
前回の衆院選後に任命された7人が対象ですが、だれがどんな裁判でどんな判決を下しているか調べている人はかなりの裁判マニアだと思います。
そもそも最高裁はめったに開廷されませんし。
興味深い話があって、9/27に判決が出た参議院選の1票の格差について、3.08の状態なのを合憲と言っている裁判官が6人いるそうですが、これは個人の考えというよりここで違憲としてしまうと衆議院選の結果を受けて憲法改正の発議をしようとしたときに、違憲状態の参議院では通せなくなるから政権の意を汲んでそうしたのではないかという見方ができることです。
アベちゃんの長期政権になっての弊害のひとつに最高裁裁判官の人事があるんですが、今までは弁護士出身の裁判官が退官する場合は同じ弁護士出身者がなる等不文律の枠があったのが安倍政権が介入してそれが崩されてきたという指摘です。
長期政権だとそれが繰り返されるので、行政が司法を食ってしまう状態になり、それが下位の裁判所に及んだ結果政権寄りの判決が増えてそのひとつが1票の格差判決というものです。
3倍で違憲でないってどういう感覚なのでしょうか。

ちなみに7人のうち違憲とした裁判官が1人だけいます。

f:id:g3org3:20171015235637j:image