なごり雪

気象予報士の森田さんの言っていた話をパクりつつ展開するのですけど、「名残雪」という言葉は辞書にも気象用語にもないんだそうです。

「名残の雪」なら載っていて、①春に入ってから降る雪②春になって消え残っている雪と手元の辞書(大辞林には載っていたけど新明解はなし)に記述があり、概ね我々が思うような意味と変わらないと思います。歳時記にも春の季語として載っているそう。
なのにみんなこの言葉(「の」がない方)がピンと来るのはイルカがカバーした伊勢正三が作詞・作曲の「なごり雪」のせいだと言っていいです(断言)。
①のこの時期に降る雪の平均が3月12日だそうで、なごり雪の最初のリリースが1974年3月12日で偶然だろうけどすごいと森田さんは言ってました。

 

この「名残雪」「名残の雪」問題で思い出したのが、歌詞を書く人は正しい言葉よりリズムに乗るかどうかといった聴こえ方を優先することがあって、そこからいわゆる間違った言い方が広がることがちょくちょくあるということです。
もうひとつ最近知ったのですが、「赤いスイートピー」がリリースされた時(1982年1月)には花屋にスイートピーは置いてなくて、それをきっかけにみんなに知られ、2006年の12月にどこかの花農家が量産に成功して置かれるようになったんだそうです。

 

よくも悪くも歌の力を知った話でした。

なごり雪[EPレコード 7inch]