珍品
いちおう落語を聴き始めて30年以上は経っているので、聴いたことないネタはほとんどないと思っているのですが、どうやっていたかというとネタ図鑑みたいなものがあって噺を聴く毎にチェックしてつぶしていました。
それが矢野誠一さんの落語読本で、サブタイトルにあるように「精選」だから全てではありません。
この本は巻末が五十音索引になっていて(本文は季節順)、調べやすいです。
ただしもう絶版です。
これは落語読本に載ってないものを調べたい時にあたるんですが、今までここに載っていなかった噺はありませんね(新作を除きますが)。
青蛙房も解散して今はもうないので、この本も入手するとしたら古書店市場ででしょうか。
文化放送で志の輔の番組があって、ゲストと一緒に落語を聴くというコンセプトなんですが、たまに超珍しい噺が流されています。
それも文化放送のアーカイブだけでなく、他局音源も借りてきてることがあって。
日曜の放送では圓生の「粥やろう」という、志の輔自身もこれはかなり珍しいと紹介している噺だったんですが、早速落語辞典で調べたけど載っていなくて困りました。念のためカ行をひとつずつ見ていくと粥は「かゆ」ではなく「かい」と読むみたいで(意味は変わらず)、発見できました。
差別用語が出てくるから今は珍品になってしまっているみたいですけど、こういうのはなんとかならないものですかね。
というのも、寄席などでは特に楽屋のネタ帳に前座か誰かが客席を確認して「目の不自由なお客様」といったメモを貼って申し送りしているのでかからないのですが、聴きに来ているその方も落語ファンという立場でその噺を聴きたいというリクエストがあったりするのだそうです。
差別はもちろんいけないことですが、何らかの形で噺を後世に残すには時々でもかけられないといけないからいいアイデアはないでしょうか。