圓朝忌

最初にカレンダーを見て今日は赤字なのが本気で何の日かわかりませんでしたが、落語ファンにとっては多くの噺を作った中興の祖と言われる三遊亭圓朝の命日です。

アベちゃんが座禅を組むことでちょっと有名になった谷中の全生庵圓朝の墓があり、以前は落語家が協会行事として奉納落語をするだけだったのが、ファン感謝デーみたいな感じで圓朝まつりという落語家の模擬店を全生庵の敷地に出したりする催し物をやっていましたが、名前や場所を変えたりしたものの、今は台東区主催で1ヶ月間を谷中圓朝まつりとしているみたいですね。

全生庵円山応挙の幽霊画を持っていて夏に公開してますし、山岡鉄舟の墓もありますので行ってみるのも面白そうです。

また、イイノホールでやっていた圓朝祭は当代落語家のオールスター戦のような顔付けでした。後年、ジュニアオールスターのようにボクらの圓朝祭という若手中心の会も作られましたし。

そういえば志ん朝が最後にホール落語に出たのは2001年のボクらの圓朝祭で、「へっつい幽霊」でした。「芝浜」をネタ出ししているのが権太楼だったので、ふざけて芝浜のまくらを振っていました。まさかその何ヶ月後に亡くなってしまうとは誰も思っていなかったと思います。

圓朝ものといえば「死神」「鰍沢」といった今でもよくかけられるものが知られていますが、やはり「牡丹燈籠」や「真景累ケ淵」といった怪談物が真っ先に思い浮かびます。

噺の構成がしっかりしているので、そんなに上手でない方でも引き込まれてしまい続きが聴きたくなります。

落語の高座は抜き読みで続きが知りたいけど聴けないというストレスがありますが、活字で読むとそれがないのでオススメです(落語ファンだとすでにされている方が多いと思いますが)。

全集は岩波書店から出ているけど高いので、何年かに一度出る(あるいは売れ残って書店の棚にある)岩波文庫のもので、できるなら旧仮名遣い版だと雰囲気も高まる気が個人的にします。

『牡丹燈籠』と『真景累ケ淵』は割とよく出ますが、『塩原多助』は滅多に出ません。

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左が現代仮名遣い版。内容は同じですが、だいぶ厚さが違います。

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圓朝作の噺にゆかりの土地を訪ねた『円朝ざんまい』。

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